歩き方がおかしい―よくある病気

単に歩き方がおかしいだけではなく、様々な病気が隠れています。
飼い主さんは常に病気のリスクを頭においておかないといけません。
人でいうと不定愁訴。病院での診察、検査をしても異常がない。
でも不快な症状がある。動きがおかしい。―整体療法を受けてみて下さい。
犬は、しゃべれません。普段から注意深く観察することが大切です。
特に老犬の場合多くの散歩は必要ありません。室内でこなせる楽しい遊びをしてあげることと、おやつは中止して野菜中心の高タンパク低カロリー食を食べさせてあげるべきです。
サプリメントについてよく質問を受けます。犬も人と同様血液がサラサラであるのがやはり健康の基本だと思います。
DHA・EPAといった魚由来のサプリは若い年令の頃から与えてあげるとよいでしょう。

骨折

犬の骨折は事故や高いところから落ちたりすると起こります。骨折の部位で症状は違いますが、歩行障害や神経のマヒ、排便や排尿がしにくいなどの症状が出たりします。
人間と違って患部の外固定が難しいので、手術による内固定が必要となります。
固定除去後の関節可動域に対するリハビリをしっかりしないと拘縮や可動域制限、骨化性筋炎などが生じたりします。

股関節形成異常

ジャーマンシェパード、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーなどの犬種に多いもので、股関節が正常に形成されていないことや変形することで歩行異常を呈します。手術での対処か筋力アップか股関節のバランス矯正かは症状によって決められます。保存療法としてのバランス整体は有効な方法の一つです。

骨肉腫

悪性腫瘍です。骨にできます。発生部位は「肘から遠く、膝からは近い」パターンといわれます。
後足は膝関節の近くに発生するので犬は引きずる様に歩きます。散歩もだんだん嫌がります。恐いのは、肺への転移です。硬くてその腫瘍が動かないのが表皮から触診されると、骨肉腫を疑って下さい。
骨折での固定プレートの金属イオンが原因であるとも言われていますが、原因ははっきりしていません。
大型犬に多いとされています。

変形性骨関節症

腰を振って歩いたり、立ち上がるのに時間がかかったりします。体重を支える前足のヒジや後足の股関節や膝の関節などで多く発症します。
進行は緩やかなために見落としてしまうキケンがあります。繰り返し関節に炎症が生じて骨が増殖(骨様)形成したり、関節軟骨が磨り減ったりします。
一方の足に発症するとやがて正常な足にも負荷がかかって最終的には両足に症状が現れたりすることが多いです。
運動のしすぎ、肥満、関節リウマチ、加齢による劣化、靭帯の不安定、股関節形成不全、骨折の骨格変形、膝蓋骨の脱臼などが原因とされています。
最近では、欧米では細胞から培養した幹細胞を患部に注入して軟骨や靭帯を修復する方法もとられています。
肥満を予防することは、一番大切なことです。ダイエット対策しているのになかなか体重が落ちない。いわゆる「プラトー」と言われる管理が問題となります。
急に食事量を減らしたり運動量を増やしたりすると犬の心身にストレスが大きくなります。栄養と運動のバランスを見直して肥満対策をしましょう。

椎間板ヘルニア

激しい運動や肥満、老化などで椎間板への負担が大きくなると損傷してしまう病気です。特に短足胴長の犬種に多いとされます。背中の中央辺りに症状は好発します。(胸椎11番〜腰椎3番)
片側だけあるいは両足など現れ方は様々です。手術での治療はあまり効果が出ない傾向があります。突然歩けなくなってそのまま寝たきりになるケースも多い病気です。日頃の食事管理やケアがとても大切です。